ばんだい先生
☆家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q.50代シングル女性、貯金は65万円しかありません!
57歳のシングル女性です。年収は手取り153万円で生活に余裕がなく貯金は65万円しかありません。仕事は64歳で契約終了です。将来受け取る年金は今の収入より少なく、これで生活できるでしょうか?子どもに迷惑をかけたくありません。
家族構成
Aさん(57歳・契約社員)。離婚して現在は独身。子どもは既に独立。住まいは相続した実家に一人暮らし。
A.
相談のキッカケは相続した実家のリフォームでした。Aさんは幸い住まいに困ることはありませんが、それでも家計収支は毎年29万円の赤字です。我慢しているつもりでも貯蓄が全くできず、今後仕事を辞めた場合や病気などのとき、生活ができるのかとても不安とのことです。また離婚後は将来不安のストレスからメンタル面も不安定な様子です。
まず家計改善を優先し、年間収支の赤字を解消します。基本生活費は68万円ですが、これに含まれない交際費年間32万円、自動車関連費35万円、使途不明金25万円は改善の余地があります。
交際費は、年齢を考えれば、お付き合いは仕方ないかもしれませんが、これら3つの費目で月3万円程度の支出削減で赤字を解消できます。またこのような状況の方はキャッシングの利用も気になりますが、本人によると借金はないとのこと、利息負担が家計を圧迫するので利用しないように注意が必要です。

Aさんの不安の正体は実は「情報の不足」です。モチベーションを高めるためには将来の姿を見せることが一番で、将来家計簿による試算を行います。
なるべく長く働いて収入を得るとして、どの程度の収入があれば生活が成り立つのか将来家計簿で確認し、働けば何とかなるという見通しを持つことです。このままの状態で64歳まで働いたとき、特別支給の老齢年金が約23万円、65歳からの公的年金は約91万円です。今の赤字家計のままでは貯金はすぐに底をつき資産残高がマイナスとなりますが、対して赤字の改善を行った場合、64歳時点で貯金は120万円程度残ります。
さらに65歳以降も月83,000円、年間100万円の収入を想定すれば毎年40万円前後の貯蓄ができて、不測の事態への備えもできます。この年収目安で働けば老後は何とかなると分かれば安心できます。
リフォームについては、数年後の生活のベースを確認できてから工事内容を検討するとして、今は保留とします。その際は不動産の売却による財産の整理も選択肢として資産設計を行います。
最後に、状況はそれぞれ違いますがシングル女性の方の相談は時々あります。「誰かと比べてしまうつらさ」と「将来の選択肢が見えない苦しさ」は共通しています。他人と比べないこと、不安は周りに相談することが必要です。高齢期の不安は仕事や家族など複合的なことも多く、一般的な提案よりも、なんとかやっていけそうな気持ちになっていただくカウンセリングが必要です。
アドバイス
1. 支出削減で年間の赤字を解消。
2. 無理のない年収目標で生活できるイメージを持つことが重要です。
3. 各市町村に窓口がある生活困窮者自立支援制度も検討します。

ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計350棟以上の家づくりを実際にサポート。
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