りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!

教えて!青山せんせい 反抗期とうまく付き合うための“境界線” 編

反抗期! この愛おしくも面倒な成長の過程!

毎日のように子どもと衝突してイライラし、「また言い過ぎてしまった」と落ち込んだり、「どうして黙って見守れないんだろう」と自己嫌悪したり…わかる、わかります!!

でも、関わる・任せる…その境界を少し意識すると、見守る心を整えられるかも。

今回は、反抗期の子どもと向き合うキーワード・親と子の“シンプルな境界線”について考えます。


それでは今回も…教えて!青山せんせい!

反抗期とのバトルに効く「境界線」

私は普段、思春期の子どもの親御さんからの相談をたくさん受けるのですが、共通するワードがあるんです。

知りたくないですか?
でももしかしたらすでにピンときたもいるかもしれませんね。
きっと答えを聞いたら「ほらねやっぱり」「だと思った」と思う人がほとんどでしょう。
発表します。

「いうことを聞かない」
「何を考えているかわからない」

この2つです。

まぁ他にもたくさん上げようと思えばいくらでもあるのですが、今回の話にはこの2つがぴったり合うかなと思います。

小学生までは「管理」寄りでも回ります。
何でも話してくれるし、ちょっと叱ったり怒ったりして、何とか思い通りの結果を親は得ることができますよね。
小学生までは、なんとか力技でうまくいったんです。

しかし、思春期・反抗期に差し掛かった子どもたちにはこのやり方は通用しなくなります。
この年代は 「尊重と対話」 を念頭に置いて接していかなければ、確実に反発されます。
身に覚えがあるでしょう。

11月1

命令口調で言って反抗される・無視される
干渉しすぎてウザがられ無視される
口答えされてにらまれて「何あの態度は!!」って
怒り心頭になって指図して…とうとう険悪な関係になる

これが思春期によくある風景ではないでしょうか?
だからこそこの年齢には「尊重」という大人の態度が必要になります

ただ、「尊重しましょう・見守りましょう」というと、たいていの親は「黙って」しまいます。
黙ることが“尊重”であって、“見守る”姿だと誤解している人が多いものです。
でもそれはただ「黙る」であって、「尊重」でも「見守り」でもありません。
挙句、「自由にさせる=放任」になる人もいます。
これもまた違いますよね。
むずかしいですね。

最近私は、日常の暮らしのことや心理的なことで、親としてここは関わる、でもここからは任せる…「関係性の境界線」がうまく引けていない親子に出会う機会がよくあり、ふと考え込みました。

親子の境界線ってどう引くんだろう。
発達や育ちの中で必要な「時と場合」もある。
一概にマニュアルのように線引きはできない。

どうやってこの「親子の境界線」を伝えたらいいのだろうと考えました。
いくつか考えてみましたので、みなさんは自分たち親子にとっての境界って何がしっくりくるかなと考えてみてください。

大事なのは境界線をシンプルに守ること。

これです。

 

 

任せること・関わること…親と子の境界線

子どもに任せるべきエリアは、

・感性
・友だち
・本人の努力の方向

親が関わるべきエリアは、

・安心安全など命にかかわること
・生活リズムと健康のこと
・お金のこと

です。

11月2

もちろん年齢に応じたレベルでです。
それが難しいんだよ、という声が聞こえそうですが、その答えがないことが「子どもを育てる」ということなんだろうなと、多くの親子を見ていて思います。

子育てにおいては、何が正解だったのかわからないことの方が多いものです。
でもふと思うのは、出した答えを正解にするチカラ親子のチカラが大事なのではないでしょうか。

この境界線を大切にすると、最初に挙げた思春期の特徴…「いうことを聞かない」「何を考えているかわからない」について、心の落としどころが少し見えてくる気がします。

思春期とはそんなもんだ、と思っておく。

自分もそうだったよな、と過去の自分を思い出してみて。
遠い記憶の自分も目の前の子どものような思春期だったはずです

すぐに「性格の問題」「育て方の問題」にしないでください。
もちろん多少はありますよ。でも、すべてではない。
思春期というものがそうさせているんですから。
一時の言動だけで“その子のすべて”を決めつけない。
そして、親としての自分の未熟さを卑下しないことです。

「理屈では分かってるけど、感情が暴走する」のが思春期ですが、思春期ではないはずの親も似たようなものです。

「落ち着いて」「安心して」

親も子も、人間だからさ。

 


青山さん写真

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)

親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。

 登録者数4.49万人(2025年11月末現在)を数えるYouTubeチャンネル「未来へつながる子育てリテラシー塾」でも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。