異国の町を歩いてみたら・・・

黒海地方とハムスィ

メルハバ(こんにちは)。
今回は、黒海地方の食文化についてお話ししようと思います。

0102_トルコ_写真1〈黒海地方ギレスン市のパザル(市場)。毎週決まった曜日に、決まった場所で開かれる青空市場です〉


魚よりも肉を食べることが多いトルコで、いちばんよく食べられているのがハムスィ(ヨーロッパアンチョビ)という小魚。少し肌寒くなってきた10月の終わりぐらいから2月までがハムスィのシーズンで、黒海地方とマルマラ地方がこのハムスィの二大産地になります。

小さなフライパンにきれいに並べて焼いた『ハムスィ・タヴァ』はトルコ全土で食べることができますが、黒海地方ではとにかくいろいろな料理に使います。開いたハムスィにフィリングを入れて巻いた『ハムスィ・サルマス』、ピラフの周りをハムスィで覆った『ハムスィ・ピラフ』、さらには、トウモロコシの生地の中に生のハムスィを混ぜてから焼いたパン『ハムスィ・エキメイ』なんていうものまであります。

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〈黒海地方のいちばん大きな町、トラブゾンの市内〉

少し前になりますが、秋の終わりにハムスィ料理を学ぶために黒海地方のトラブゾンとギレスンに行きました。

黒海地方には初めて行ったのですが、街の雰囲気、特徴のある方言などが、とてもエキゾチックで、同じトルコなのに地方によってずいぶん違うことを実感しました。市場を歩いてみても、他の地方では見かけないような食材がたくさん! 黒海地方では、ハムスィだけでなく、他の地方と違って、トウモロコシ(とコーンフラワー)、ケールなどをよく使います。

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〈黒海地方の朝ごはんといえば、『クイマック』。炒(い)ったトウモロコシの粉と特別なチーズを使って作ります〉

また、朝食も特徴的です。特に、『クイマック』という、チーズフォンデュのような料理。コーンフラワーをベースにバターとチーズを加えて作るのですが、びっくりするほど伸びる!伸びる!! 朝からこんなにハイカロリーな料理を食べること自体にも驚きましたが……。

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〈『ハムスィ・タヴァ』。小さなハムスィをきれいに並べて焼いたトルコの定番料理です〉

わたしが出かけた時期はとても静かでしたが、5月ぐらいから秋にかけての観光シーズンには、国内外から多くの人が訪れるそうです。黒海でのヴァカンスだけでなく、夏になると地域のイベントやフェスティバルが多く開かれるからです。

黒海地方の伝統的な民族舞踏を踊る祭りは、夏になると、この地方のたくさんの高原で開催されています。独特な食文化だけでなく、音楽、踊りなども魅力的なので、黒海地方を訪れるならこの時期がおすすめです。

Rコラムトルコ_著者・阪本さん

阪本理恵子
完全予約制民家トルコ料理店『やかもずキッチン』オーナー。
料理、手工芸、音楽など、さまざまなジャンルでトルコ文化を山陰から発信中。

インスタグラム:@やかもずキッチン
 

 

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