冬の屋久島を
駆け抜ける
2026年最初のコラムとなりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、このコラムを読んで実際に屋久島を訪ねてくださった方がいらっしゃったと聞き、とてもうれしく思いました。今年も引き続き、屋久島での暮らしや島の魅力をお伝えしていければと思います。

世界自然遺産地域「西部林道」を駆け抜けました
さて今回は、冬の屋久島の楽しみ方についてです。この時期の屋久島は、山に雪が積もることもあり、天候によっては登山が難しい日も増えてきます。そんな冬の屋久島で、ぜひ知っていただきたいイベントがあります。それが「屋久島一周ウルトラ“ECO”マラニック」です。
屋久島一周はおよそ100km。世界自然遺産の島を、全身で感じながら走ることができる大会です。「100kmはさすがに無理かも……」と思われる方も多いかもしれませんが、安心してください。100kmのほかに、50km、26kmの部門も用意されています。

葉っぱの大きさに屋久島らしさを感じます
屋久島に移住して1年目の2020年、当時は25kmだった部に参加しました。ひとつお伝えしておくと、私は走ることがこの上なく苦手です。学生時代の強歩大会以来、長い距離を走った記憶もほとんどありません。それでも「走ってみようかな」と思えるのが、屋久島という場所の魅力なのかもしれません。
26kmの部は、島の北西部にある永田いなか浜をスタートし、西部林道を走り抜け、栗生青少年旅行村を目指すコースです。西部林道を走る約15kmは、世界自然遺産地域に含まれる原生林。太古の森の中を走れるという、屋久島ならではのぜいたくな時間が待っています
島根県で地域見守りのパトラン活動をする叔父と、仮装して参加しました
このコースは距離こそ一番短いものの、高低差はなかなかのものです。何度も車で通ったことのある道ですが、実際に走ってみると、こんなにも長く感じるのかと驚きました。登りでは歩き、下りで少し走る。その繰り返しをしながら、自分のペースで一歩ずつ前へ進んでいきます。普段走らない身には、正直なところかなりきつい道のりです。

激しいアップダウンに心が折れそうになります
それでも、それ以上に屋久島の壮大な景色に心を奪われます。森の匂い、滝の音、そしてふと視界に広がる、どこまでも続く水平線の海。走っているうちに、つらさよりも「この島を全身で味わっている」という気持ちの方が、少しずつ大きくなっていきます。そして、沿道からかけられる島の皆さんの「頑張って」という一言に何度も励まされ、どうにか無事に完走したあとの達成感は、言葉では言い表せないものがありました。翌日の全身の筋肉痛も、今では忘れられない思い出です。
完走証と屋久杉しおり
屋久島一周ウルトラ“ECO”マラニックは、毎年1月ごろに開催されます。まずは26kmから参加してみるのも良いですし、普段から走っている方であれば、50kmや島一周に挑戦してみるのも、冬の屋久島ならではの特別な体験になると思います。

三島佳奈
松江市浜乃木のライフスタイルショッブ「志庵」オーナー。「心と体に佳いものを」をコンセプトに、2年間暮らした屋久島の食品や工芸品などのほか、日々の暮らしに寄り添う洋服と雑貨を扱う。
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