創る◇◆◇内装仕上工 池田 謙志さん【出雲市】
2026.01.14
より高みを目指して
日々勉強
一級表具技能士や一級壁装技能士、一級プラスチック系床仕上技能士、一級建築ガラスフィルム技能士など、数々の資格を取得し、壁や天井、床に塩ビシートや和紙、布、タイルなど、幅広い素材で内装仕上げを手がけている池田謙志さん。国宝や重要文化財の内装に携わったり、修復にも手を尽くしたりしており、令和七(2025)年度の卓越した技能者「現代の名工」に選ばれた。


「やってみるか?」。知り合いの一言で始まった内装との関わり。懸命に励むなか、出雲市内で開催された、現代の名工で総理官邸や国会などの内装も手がけた飯島勇さんの講演を聞き、資格があることや技能グランプリという全国大会があること、一般住宅の内装のほかに文化財や公共施設などの内装という世界があることを知った。講演後も「もう少し教えてください」と話を聞きに行ったほどの衝撃を受けた。
一般住宅の内装の仕事をしながら腕を磨き、さまざまな資格をとり、独立するも、どうやったら飯島さんの仕事のような世界に行けるのだろうと考え続けていた。

技能グランプリについて調べているとき、広島に同グランプリ銀賞受賞者である倉迫貴裕さんがいることを知る。持ち前の行動力ですぐに連絡をとり、教えを乞う。そして2015年に技能グランプリ(壁装)で銀賞受賞。さらに21年には目標としていた金賞・内閣総理大臣賞を受賞した。


一般の住宅も文化財や公共施設などの現場も、「自分の作品を残す感覚で、妥協はしない」。

旧赤坂御所や広島駅、広島平和記念資料館など、多くの内装に関わったが、特に印象深かった仕事を尋ねると「岡山城の天守閣」との答え。実は、岡山城の歴史に大きく関わった池田氏とゆかりのある鳥取藩の池田氏の流れをくむ池田さん。ルーツにつながる岡山城天守閣の内装を手掛けるという巡り合わせに、「この仕事の依頼はすごくうれしかった」と振り返る。

現代の名工に選ばれたとき、「早くないですか?と思ったが、今もらったからこそできることがあると思う」。仕事に対する考え方など飯島さんと倉迫さんに教えてもらったこと、自分がやってきたことを次の世代に渡すべきと考え、二人への恩返しのつもりで若手を育てている。


「全てが完璧ではなく、日々勉強。まだまだ勉強したいこと、やりたいことが増えている」と池田さん。歩みを止めることなくより高いステージを求め、池田さんならではの作品を後世に残していく。

プロフィール

2000年からアイディーワークにて内装の仕事を始める。飯島勇さんの講演を機に、内装関連のさまざまな資格を取得。14年池田内装として独立。15年に技能グランプリ(壁装)銀賞、19年技能グランプリ(壁装)敢闘賞、21年技能グランプリ(壁装)金賞・内閣総理大臣賞受賞。25年卓越した技能者「現代の名工」(厚生労働省)に選ばれた。
問い合わせは、インスタグラム「@ikeda.naisou」へ。