ばんだい先生
☆家計アドバイス☆

あなたのお宅の家計はいかがですか? 
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

 

Q がんと診断され、家計や教育費が心配です

がんの告知を受けました。入院や手術はこれからで治療方針も決まっていません。とにかく不安で仕事を辞めたり働けなくなったりしたら、これからの生活や長女の進学と教育費、私たちの老後資金などどうしたらいいのか分かりません。

家族構成
Aさん(出雲市、50歳、会社員)、妻(47歳、専業主婦)、長男(大学生)、長女(高校1年生)。持ち家で住宅ローンはなし。

A

私も数年前にがんを経験しました。告知を受けた直後はパニックに近い状態でした。Aさんには社会保険制度についての情報提供と働けなくなった場合と仕事を続けた場合の2つのケースで将来家計簿を作成し、前向きに考えられるようにサポートします。

社会保険制度では、高額療養費により1カ月の自己負担額には上限が設けられています。また治療のために仕事を休んでも最長1年6カ月間は傷病手当金が支給されます。限度額適用認定書の申請や加入生命保険の入院給付金、がん特約の有無を確認します。その他、会社の就業規則や団体保険の確認もチェックしておきます。

今後、治療方針が決まりましたら社会保険適用後の実際の自己負担額を把握し、治療費の見通しを立てていきます。この点は医療ソーシャルワーカーにも確認が必要です。収入については、高額療養費や健康保険組合などからの付加給付、医療保険やがん保険の給付金などの額について確認します。給付金は事後に支払われることもあるので数カ月単位に分けて把握すると資金繰りが確認しやすくなります。短期の見通しと当面の資金繰りを整理して考えるのが現実的です。

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Aさんの相談は、もし仕事を辞める事態になったら家計はどうなるのかでした。不明な部分は自己負担額を多めに仮定して将来家計簿を作成します。最初のケースは今後半年働いた後、1年半休職して傷病手当金を受給し、その後退職した場合。働く意思、能力がないため雇用保険の失業給付は受け取れないことに注意が必要です。長女は国立大学に進学し下宿を前提で試算します。結果は、年間収支は赤字で預貯金は10年後には485万円まで減少します。当然、老後資金にも不安が残ります。

次に仕事は辞めずに、半年の休職の後、復帰するケースで試算します。無理や残業をしないなど年収が2割程度減と仮定し60歳でリタイアとします。妻のパート勤務は年収85万円を仮定し長女の進学は前出と同様です。結果は、大学進学時に年間収支は赤字になるときがありますが、将来家計簿は大幅に改善し、10年後の資産全高は1758万円残ります。退職金や老齢年金の受給額が増えるメリットもあります。

病状によっては辞めざるを得ない場合でも幸いAさんには住宅ローンの返済がないこともあり、長女が奨学金を利用する、妻がパートで収入を得るなどで家計の改善は可能です。病状によっては障害年金を申請する方法もあるかもしれません。

アドバイス

1) 手続きと短期の資金繰りを確認します。
2) その後10年程度の試算を作成し不安を払拭。
3) 経験からお金の悩みが解決すると身体のつらさが和らぐことも。

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ばんだいこうじ


年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計350棟以上の家づくりを実際にサポート。

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