ばんだい先生
☆家計アドバイス☆

あなたのお宅の家計はいかがですか? 
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。

Q

4人家族でマイホーム新築を計画中です。展示場で面談した工務店から図面と見積書をもらいました。間取りは希望通りでしたが、見積金額にビックリ。希望は2,500万円以内と伝えていたのに見積額は4,000万円を超えていました。これから子どもたちも成長して教育費も本番を迎えるのに、夫婦共に完全に思考が停止しました。

家族構成
Aさん(松江市、30歳・会社員)、夫(37歳・会社員)、長男7歳、長女4歳。できれば市中心部でマイホームの新築を希望。現在、土地を物色中。

A

弊社には過去のコンペで提案された30社からの合計4,000件以上の見積書、その結果として約350件の工事契約書があります。これらに記載されている情報を統計処理すると実に面白いことに、島根県東部における延べ床面積と坪単価の相関関係が明確に分かります。

簡単に言えば「どんな部屋が何帖で欲しい」が分かると、簡単に計算シートから総工事費を計算できるということです。これには建築士の技量は関係ありません。つまり図面を描かなくてもほんの数分で工事費は大体推察できるということです。

ただし、これは平均額です。ココに各社の商品性(断熱性能やデザイン性、間接費)が加味されて差が出ます。この差も各社で決まっていますので、建築業者を選べばかなりの精度でその工事費は推察できます。

今回の見積書を拝見しましたが、「見積もりしたら4,000万円以上だった」のは、そもそもAさんの要望を反映しただけで、工務店には何の悪意もありません。

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まずAさんが最初にすべきことは、そもそも予算額2,500万円の再確認です。

たいていは何の根拠もなく直感や感覚、願望だったりします。将来家計簿を作れば、生活スタイルやお子さまの進学希望、将来の働き方から住宅にかけてもいい額の正解が明確に計算できます。もちろん、これは各家庭で違いますので、自分たちの明確な予算をつかむことが全てのスタートになります。

これをつかむことで「もっと予算を抑えた方が良いのでは? もっと予算を増やしても大丈夫?」という不安や迷いが消えて気が楽になります。

その後、計算シートを使えば数分で平均的な工事費は算出できますので、その結果を見ながらAさんが必要とする部屋とその広さを生活スタイルから再検討し実現可能な間取りプランを作ります。

以上の作業は1回ではうまくいきません。もう少し住宅予算を増やすために車の予算は減らそうとか家の面積を少し減らして教育費に余裕を持とうとか試行錯誤を繰り返します。うまくいかなければ元に返って再度予算と設計のバランスを図ることで、最終的には現実的な住宅プランが完成します。

以上は建築業者にお願いしなくても全て自分たちだけでできる作業です。そういう当たり前のことをしていないから思考停止になります。見学に行く前に、ゆっくりと腰を落ち着けて時間をかけて自分たちの正解をつかんでください。

アドバイス

1) 「まず見学会」の前に自分たちの2つの正解をつかむこと。
2) 正解のひとつは根拠のある明確な予算額、もうひとつは実現可能な間取りプラン。
3) 以上をつかむと、実は見学に行く先も決まったりします。

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ばんだいこうじ

年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計350棟以上の家づくりを実際にサポート。

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