あふれるイメージを
思いのままに

妄想研究家であり、イラストやアクリル画、ペン画制作など多彩な活動をする中野滋さんは、段ボールを使った立体制作を手掛ける段ボールアート作家の顔も持つ。

1021_創る_写真2メイン恐竜_切り抜き

友人が段ボールで作ったかぶりものを見て、面白いなーと感じた中野さん。当時、接着剤としてグルーガンが使われるようになり、接着までに時間がかからないことから、段ボールアートに活用し、すっかり魅了された。自身の作品制作のみならず、子どもたちとのワークショップでも段ボールアートの楽しさを共有している。

1021_創る_写真8

段ボールはとても身近な材料で手に入りやすく、手軽に制作できる。作り方に決まりはなく、自由で、複雑な動きも表現でき、小さいものから大きなものまで作れる。段ボールによって色が異なったり、破れても文字があっても面白くなったりするなど、魅力にあふれている。

1021_創る_写真10鳥

中野さんは、特別な図面は作らず、思うままに切ったり貼ったりしながら制作を進めていく。

1021_創る_写真4  キノコ
1021_創る_写真5

安来市総合文化ホール・アルテピアで鋼のクリスマスツリーが飾られたとき、トナカイなどの森の動物たちを段ボールで制作。トナカイを自立させるのに苦労しながらも、無事ツリーの周りに展示し、クリスマスムードを盛り上げた。1021_創る_写真9

また、町中にアートがあると面白いのではとの思いから、安来So-Zo舎(やすぎそーぞーしゃ)を立ち上げ、開催したワークショップでは参加者といっしょに建物の壁面に絵を描いたり、段ボールの龍を作ったり。その龍を安来市内のあちらこちらで景色とともに写真に収めて発信、安来の紹介にも一役買った。

1021_創る_写真7
1021_創る_写真6 モビール・角判

作品制作時に出る端材の偶然生まれた形が面白く、小片から想像して新しい造形ができ上がり、小片こそ大切。「どんな小さな切れ端も捨てられない。たまっていく」と悩ましげながらもいとおしそう。

1021_創る_写真3_メイン右1021_創る_写真3_左3個

ウシガエルを作っているときに、「後ろ脚のカーブが楽器のように見え、楽器を作るのも面白いな」「リュックなど、実用的なものになるのも面白そう」と思い浮かび、一つの作品から、次々とアイデアがつながるのを楽しむ。

1021_創る_写真13ウシガエル

1021_創る_写真11オオクチバス
1021_創る_写真12アメリカザリガニ

「今後、他の素材でできているものを段ボールで作ったり、鎧(よろい)や服などを作ったりしてみたいし、さまざまな作り方も試してみたい」と話し、段ボールの可能性は際限なく広がっていくようだ。

1021_創る_追加1

プロフィール


1021_創る_写真1制作中

なかの・しげる 1967年生まれ。
東京理科大学理工学部建築学科卒業。電機メーカーでビデオカメラ・デザイン部退職後、舞台美術、イラスト制作、絵本出版などを手掛け、松江、メルボルンなどで個展開催。2014年~安来で作品を制作、23年安来So-Zo舎設立。25年認定こども園や高校で非常勤講師を務める。
問い合わせはEメール「psygelly@me.comへ。

ワークショップ情報
○2025年11月2日(日) 10:00〜16:00文化協会まつり ワークショップ(和鋼博物館内「やすモン る〜む、安来市)
○2025年11月16日(日) 10:00〜16:00 ラムサール条約20周年イベント ワークショップ(松江テルサ、松江市)、両会場とも事前予約は不要。