ローカルフードを食べてみよう!! 飯南町の郷土料理「呉汁」を教わりました
2025.11.13
飯南町の郷土料理「呉汁」を教わりました。
その地域で古くから食べられていて、地域のみなさんにはおなじみの食べ物「ローカルフード」。今回は飯南町の郷土料理「呉汁」を深掘り。
レシピは、加田の湯オープン当初から2024年のリニューアルまで、同温泉のお食事処で呉汁を作っていた松田国子さんに、栄養については飯南町保健福祉課の管理栄養士・三島亜美さんに教えていただきました。

「呉汁」とは
大豆をすりつぶした「呉」をみそ汁と合わせた家庭料理。松田さんによると「昔から、各家庭で大豆を栽培し、豆腐やみそ、しょうゆをつくっていた。呉汁も各家庭で作られていた家庭の味」とのことで、大豆が身近な食材だったようです。

植物性たんぱく質
植物性たんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質を構成するアミノ酸のバランスが肉や魚と同等であり、体のたんぱく質を効率よく合成します。植物性たんぱく質も筋肉をはじめ、体づくりに役立っています。
大豆イソフラボン
女性ホルモンの一種のエストロゲンに似た作用があり、更年期障害の改善や骨の分解を抑制することにより骨粗しょう症予防にも役立ちます。
カルシウム・マグネシウム
カルシウムは骨や歯の構成成分となります。マグネシウムにはカルシウムの働きを助ける作用があることから、骨粗しょう症予防に役立ちます。
鉄分
鉄分(非ヘム鉄)も含まれています。非ヘム鉄はレバーや赤身の肉・魚に含まれるヘム鉄と比べると吸収率が低いです。肉・魚・卵などの動物性たんぱく質と一緒に取ると吸収しやすくなるため、今回の具材「ちくわ」のような食材を取り入れることがおすすめです。
水で戻した大豆を丸ごとミキサーにかけ、そのままみそ汁に入れているため、大豆の栄養素を損なうことなく全て食べられる作り方なのも、おすすめポイント。
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\さぁ 作ってみよう!!/

各家庭で作られていたという「呉汁」。加田の湯の食事処で呉汁を作っていた松田さんに作り方を教えていただきました。いつものみそ汁に「呉」を足して、栄養満点、おいしい呉汁を作ってみませんか。
材料
●大豆(乾)‥‥2合
●みそ汁(各家庭のみそ汁でOK・量はお好みで)
A
豆腐‥‥適宜
油揚げ(薄揚げ)‥‥適宜
ニンジン‥‥適宜
大根‥‥適宜
ちくわ‥‥適宜
カツオと昆布のだし汁
(顆粒だしを使ってもよい)‥‥適宜
みそ‥‥適宜
作り方

あらかじめ、前日に大豆をたっぷりの水に浸しておく。
※2日前から浸していてもOK。

Aの材料を適度な大きさに切る。
※短冊切り、イチョウ切り、角切りなど、普段の各家庭の具の切り方でOK。

鍋にカツオと昆布のだし汁を入れ、豆腐以外の具を加えて、具の野菜が軟らかくなるまで煮る。

野菜が軟らかくなったら豆腐とみそを加えて、味を調え、弱火にしておく。
※後ほど呉を加えると少し味が薄くなるため、ほんの少しいつもより濃いめに。ただし、呉を入れてから味を調えるのでここでは濃くしすぎないように。

浸しておいた大豆2カップと水2カップ(分量外)をミキサーに入れ、2~3分間ミキサーにかける。
※大豆の量はお好みでOK。たっぷり食べたい場合は大豆・水を各3カップでも◎。

いったんミキサーを止め、指でなめらかさを確認し、ざらざらしていなければOK。まだざらざら感があるようなら、もう少しミキサーにかける。

4のみそ汁に6で確認した呉を入れて、お玉で軽くひと混ぜし、中火にしてひと煮立ちさせる。

グラグラしたら弱火にし、再度味見して、薄くなったらみそを足して調える。

ふわふわの泡をのせるようにして、器に盛り付けていただく。
※お好みで小ネギの小口切りを散らしても◎。
おいしく作るポイント!
◎大豆をしっかりミキサーにかけてなめらかにする。
◎「呉」を入れた後は吹きこぼれしやすいので、鍋から離れずによく見ていること。十分に火を通さないと大豆の青臭さが残ってしまうが、煮すぎたり混ぜすぎたりすると、「呉」の泡が消えてしまうので注意。
◎水に浸した大豆は冷凍保存できるので、まとめて浸して、小分けにしておくと便利。
◎市販の水煮の大豆を使ってもできる。