教えて!青山せんせい 夏休みのゲーム・スマホ問題…困りどころを見極めよう! 編
2026.07.25
りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
教えて!青山せんせい 夏休みのゲーム・スマホ問題…困りどころを見極めよう! 編
いよいよ夏休み…おうちでは早速勃発していないでしょうか?
ゲームや動画に夢中な子どもたちvsそれを阻止したい親の果てなきバトルが!
今回は、ゲーム・動画と子どもの特性、親子げんかを防ぐルール作りのポイントについて聞きます。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
もう何度も言いたくない! 夏休みのスマホ・ゲーム問題
朝、起きたと思ったら着替えも朝食も飛ばしてゲーム。
もちろん宿題なんて始めない。
食事どきになっても、夜になっても画面を見ていて、「そろそろやめたら?」…そう言っても動かない。
もう一度言う、それでも動かない。

結局、だんだんこちらの声が大きくなって、「いい加減にしなさい!」
子どもは「今やろうと思ってたのに」「あとちょっとだったのに」「うるさい」と怒る。
実は保護者が一番しんどいのは、毎日同じことを言わなければならないことや、言わなければ何も進まないこと。そして、”時間を気にしているのは自分だけ”に見えることです。
怒るのだって疲れますし、何のために毎日こんなことで親子げんかしているんだろう…そんな気持ちにもなります。
正直イライラしないなんて無理!
ですが、イライラする場面をひとつ減らすことはできます。
ポイントは、夏休み中のスマホやゲームを完璧に管理するのではなく、わが家では今、どこを整えたらいいのかを見つけることです。
夏休みにゲームが増えるのは、当然といえば当然です。
学校がある間と違い、起きる時間も自由だし、次に何をするかも自分で決めなければならないけれど、宿題の締め切りは、まだずっと先。
暑くて外には出にくいし、友達と会う機会も減る。
親は仕事や家事がある。
そうすると、暇な時間が増えます。
「暇なら宿題をすればいいじゃない」と大人は思うんですが、子どもは暇だからといって、勉強はしません。
空いた時間に入ってくるのが、いつでも始められるゲームや、スマホで手軽に見られるYouTubeなどの動画コンテンツです。

大人だって、動画1つだけ見るつもりが、気づいたら1時間たっていた…ということがありますよね。
大人でもやめにくいものを、子どもが自分の意思だけで切り上げるのはなかなか難しい。
だから、「この子は意志が弱い」「約束を守る気がない」と、子どもの性格だけの問題にしない方がいいと思います。
ただし、「子どもには難しいんだから仕方がない」で終わってもいけません。
難しいからこそ、大人が少し仕組みをつくってやる必要があります。
ゲームは何時間までなら大丈夫?
これは、本当によく聞かれます。
でも私は、何時間やったかだけでは判断できないと思っています。
たとえば、夏休みなので長い時間ゲームをしている子がいたとします。
でも、ごはんは食べるし、夜は眠る。
家族で出かけるときには一緒に来る。
友達とオンラインで楽しそうに話している。
終わるときには、「えー、もう終わり?」「あとちょっとやりたかった」と文句は言うけれど、最終的にはやめられる。
この状態なら、私はそこまで心配しません。
反対に、ゲームをしている時間はそれほど長くなくても、やめるとなると激しく怒ったり、物を投げたりする。
夜中に隠れて使う、ごはんもお風呂も嫌がる。
課金したことを隠す。
本人もやめたいのにやめられない。
こちらの方が気になります。
つまり、見なければいけないのは何時間使ったかではなく、ゲームによって生活の何ができなくなっているのかということなんです。
また、その子が何のためにゲームをしているのかも、一度考えてみてほしいところです。

単純に楽しいからだったり、友達とつながるため、学校や人間関係の疲れから休むため。
また、ゲームの中でなら得意なことがあって、達成感を感じている子もいます。
宿題や、考えたくないことから離れるために使っている場合もあります。
同じようにゲームをしていても、遊んでいるのか、人とつながっているのか、休んでいるのか、逃げ込んでいるのか、その子によって意味が違うのです。
短絡的に「うちの子はゲーム依存です」と決めるのではなく、「この子にとってゲームは“何の役割”になっているんだろう」という点を見てみてください。
ここが分かると、親の関わり方も変わってきます。
立派なルール表は作らなくていい!
夏休みになると、「きちんとルールを決めなければ」と思いますよね。
起床時間や宿題の時間のほか、ゲームについても「一日何時間・夜は何時まで」などなど全部決めて、きれいな表にする。
でも守れなかったらまた「約束したでしょ」「自分で決めたんでしょ」「どうして守れないの?」なんて親が小言を言うことになり、親子げんかが増えることもありますね。
全部を一度に整えようとしなくていいのです。
まずは、保護者が一番困っている場面をひとつだけ選んでください。
朝からゲームを始めることなのか ごはんになってもやめないことなのか
宿題をしないことなのか 夜中までスマホを見ていることなのか
全部ではなく、一つです。
朝起きてすぐゲームをすることなら…
「夏休みはゲーム禁止!」までしなくてもいいと思います。
でも、「着替えてから始める」「朝ごはんを食べてから始める」「今日の予定を確認してから始める」このくらいは決めてもいい。
特に小学生の場合は、朝から本人任せにしていると一日の歯止めが利かなくなりますので、ある程度大人が一日の枠をつくってください。
朝一番に端末を手に取ってしまうなら、夜のうちに置き場所を変えておくのも一つです。
子どもの気合いでどうにかさせるのではなく、環境を少し変えてみます。
ごはんになってもやめないなら…
オンラインゲームは、こちらの都合で突然終われないこともあります。
ごはんができてから、「はい、今すぐやめて」と言っても、子どもからすれば、「今、この試合の途中なんだけど」となります。
だから、10分くらい前に一度だけ知らせておきます。
「あと10分くらいでごはんだよ」
「次の試合には入らないでね」
「今の試合で終わりね」
ここまで伝えたら、何度も言わない。
もちろん、それでも終わらないことはあります。
でも「この試合で終わる」と、終わる場所を具体的にしておくことが大切です。
宿題が進まないなら…
「宿題が全部終わるまでゲームは禁止」にすると、宿題の量が大きすぎて、始める前から嫌になります。
だから、こなす課題を小さくします。
「プリントを一枚やったらゲーム」「問題を3問解いたらゲーム」「ゲームの前に漢字を一行だけ書く」
ちゃんとした方法ではないと思うかもしれませんが、でも、宿題を始める方が大事です。
私は自分の子どもが小さいころ、塾のプリントを一枚やったら、マリオカートを1レースできるというやり方をしていました。
塾の先生が聞いたら怒るかもしれませんが、それでもプリントは進みました。
きれいな方法で全部やらせようとしなくても、その家庭で回る方法を見つければいいのです。
夜にやめられないなら…
夜は疲れているので、昼間よりも自分をコントロールしにくくなります。
しかも、夜になって新しいゲームや面白い動画を見つけてしまったら、ますます終われません。
だから、寝る時間を決めるだけではなく、寝る準備を始める時間を決める。
「夜遅くから新しい動画を探さない」「スマホは寝室の外で充電する」「通知を切る」
小学生なら、「時間が来たら端末が使えなくなる設定にする」といった仕組みも使ってください。
自分でやめられるようになるまで待つのは、聞こえはいいのですが、やめる力がまだ育っていない子を、そのまま強い刺激の中に置いておくことにもなります。
できないところは、大人が補っていいのです。
ここだけは譲らない! 安全を守るために
お金と安全だけは、親が管理すること
ゲームの時間は、子どもの年齢や家庭の事情によって違ってもいいと思いますが、お金と安全は別ですから、ここだけは親が先に確認してください。
親のクレジットカードが登録されたままになっていないか、キャリア決済が使える状態になっていないか。
購入するときに親の承認が必要になっているか、パスワードを子どもが知っていないか。
購入履歴を確認できるかも、今一度見ておいてください。
「無料でもらえると思った」「少しだけ買ったつもりだった」
そこから、何万円、何十万円になることがあります。
以前は子どもが間違って課金した場合、決済を取り消してもらえることもありましたが、今は親の管理責任として扱われることも多く、簡単には戻ってきません。
ゲームの使い方は試しながら整えていけばいい反面、お金が動く部分は先に親が止めておく。
ここだけは、子どもとの話し合いだけに任せないでください。
ダメなものは、ダメと言っていい
子どもが怒ると、「ここまで言ったら親子関係が悪くなるかな」「困ったときに相談してくれなくなるかも」と心配になることがあります。
でも、子どもが嫌がることを何も言わないことが、よい親子関係ではありません。
ダメなものは、ダメ
ならぬものは、ならぬ
そう言っていい場面があります。
特に、お金や安全、睡眠や食事など、子どもの生活や体に関わることです。
子どもが怒ったからといって毎回親が折れていると、「強く言えば、最後は許してもらえる」ということも覚えます。
思いどおりにならない気持ちを、自分で何とかする経験も必要です。
もちろん、いきなり端末を取り上げたり、ゲームの途中で電源を切ったりすれば、余計に荒れることもあります。
終わる時間を知らせたり、セーブする時間をつくったり、どこで終わるかを双方で確認する。
その上で、終わりは終わりにする。
やさしく伝えることと、曖昧にすることは違います。
この夏、変えるのは一つだけ。

夏休みですから、休むことも必要だし、ゲームを楽しむ時間があってもいい。
ただ、生活そのものが動かなくなると、夏休みが終わるころ子ども自身がしんどくなります。
“スマホやゲームを全部悪者にしなくてもいい” “でも全部を子ども任せにもしない”
この“あいだ”を、それぞれの家庭で探していく。
子どもを一気に変えようとするのではなく、まずは、親が毎日一番しんどいと感じている場面を一つだけ決めて、変えてみるところから始めてみてください。

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数4.6万人(2026年7月末現在)を数えるYouTubeチャンネルでも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。