創る◇◆◇筆文字作家 川谷 真弓さん【出雲市】
2026.09.17
自由に楽しく
絵を描くように

優しく穏やかな雰囲気漂う絵や、キリッとした芯の強さが伝わるようなキャラクターの絵など、多彩な絵のそばに添えられているのは、太くあるいは細く筆文字で書かれたメッセージ。毎日、浮かんだ言葉を記録しているという筆文字作家の川谷真弓さん。「筆文字は書道と違い、決まりごともなく思いのままに自由に書けるのが魅力」と笑顔で話す。

もともとトールペイントを手がけていた川谷さん。雑貨やインテリアが好きで、インテリア雑誌に載っていたトールペイントの作品を見て、「古くなった家具や空き缶などが、ペイントすることでステキによみがえり、好きな絵が生かせるのがいいな」とひかれ、学び始めた。当時は、細かなところまで丁寧に描き込むのに夢中で、内向きな思いでいたと振り返る。

2014年転機が訪れる。出雲市内で開かれた筆文字講座に参加し、思いを自由に文字にする筆文字の世界にすっかり魅了された。

絵も好きだったが、字も好きで、段を取るとかではなく自由に書く表現方法に触れ、「これ、私、好きだわと思った」と笑う。もっと教えてほしいと、講師を務めた徳島県在住の山田眞弓さんの元へ通った。そこで多くの仲間ができ、自分の外へと向かうつながりが次々と生まれた。



トールペイントで積み重ねた経験を生かした絵と筆文字を組み合わせる作品は、川谷さんならでは。トールペイント作品にも英文字を入れるなどしていたが、筆文字作品ではメッセージ性をプラスしている。「人に向けたものというより、自分が自分に向けたメッセージ」だが、他の誰かにも響く。「言葉は前向きな言葉」で、「書くと心の中のモヤモヤがはき出せて、スッキリして元気が出る。へこたれなくなったように感じる」と表情は明るい。



小学生でも読める文を書くようにしていて、ひらがなが多く、やわらかな印象。絵を描くように字を書くが、「言葉を伝えたい。読んでほしい」との思いから、アート過ぎて読めないということがないように心がけている。


「いくつになっても活動の幅を広げたいし、興味をもったことはやっていきたい」と話し、「建物の壁やシャッターなど、気持ちのおもむくままに大きく描いてみたい」とますます意欲的。

「アートに優劣や垣根はない。アートを難しく考えないで。新聞紙をちぎって貼るだけでもいい。そういった楽しさを伝えていきたい」と教室や講座を通して人生を楽しむヒントも授けていく。





プロフィール

かわたに・まゆみ
1965年生まれ。
92年にトールペイントと出合い、95年からトールペイント教室を開講。2014年筆文字を山田眞弓さんに師事し、以来、トールペイントと筆文字を融合した独自の作品制作をする。お祝いメッセージなど、各種オーダーにも応える。24年トールペイント日本展で入賞。2027年1月14~18日おもひで屋(出雲市)で教室作品展開催予定。問い合わせはインスタグラムDMで(「como_ota」で検索)。