りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!

WEBでも教えて!青山せんせい 年末年始の交流を成長の機会に! 編

年末年始は親戚が集まる機会が増え、異年齢の交流が増えます。

多世代が触れ合う機会は、学校では得られない経験ができるものですが、子ども同士でケンカになったり、どうしても“比較”したりと、頭のいたいことも増える数日。

今回は、年末年始を成長のチャンスに変えるために、大人はどうサポートすればいいかを考えます。


それでは今回も…教えて!青山せんせい!

子どもが集まる年末年始を「家庭の授業」に

いつも読んでくださってありがとうございます。
あっという間の年末ですよ。

さて、年末年始、親戚が集まる機会が増えますね。

特に小学生ごろの子どもたちは久しぶりに会ういとこなど、親戚筋の子どもたちと目が合った瞬間、スイッチが入ったみたいにテンションが高くなります。
大人は「遊んでくれて助かるねぇ」と笑いながら、お茶をいれたり、台所に立ったり、会話に戻ったり。

――ところが、しばらくすると空気が変わる。

「貸してって言ったのに!」
泣き声が響き渡る…
「お兄ちゃんなんだから貸してあげなさい」
しぶしぶ泣きながら渡す…でも取られた感じがして大泣き。
「もうやめなさい!」

気づけば、誰かが泣き、誰かが怒り、疲れた顔をしている。
年末年始の“親戚タイム”って、トラブルも起きやすいですよね。

でも、ここには実は子どもの成長を促す、もうひとつの顔があります。

うまく整えれば、年末年始の異年齢交流は「社会性・思いやり・自信」を育てる、ものすごく良い“家庭の授業”になるのです。

 

異年齢交流を成長に生かす2つのポイントと注意点

実は年末年始は子どもにとって、環境が急変する「ハードモード」な数日。
というのも、子どもたちは普段は同じ学年の集団で過ごしています。
ルールも距離感も、ある程度そろっている世界です。

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一方で、親戚同士が集まることも多いこの時期は、いきなり年齢がバラバラの子が混ざるシーンが増えます。
家ごとのルールも違い、大人は大人で忙しい。

また、場合によっては家同士の微妙な関係性の中、勘のいい子は親の様子をみながら過ごします。
親戚のおじさんやおばさんは 余計なこと言ったり言わなかったりもする。
不登校や受験などの課題を抱えていたら、なおさら緊張するでしょう。
しかも地味に滞在時間も長い!


つまり、子ども側から見ると「急に難易度があがってハードモードになる」んですよね。

トラブルが起きるのは、子どもたちの性格の問題というより、これらの条件がそろってしまったのが原因なことが多いのです。

しかし、異年齢がそろう場で、子どもたちはそれぞれの立場で自然に「調整役」になる経験をします。

順番を待つ。
譲り合う。
ルールを合わせる。
相手に伝わるように説明する。

学校のように先生が介入して整えてくれるわけではないからこそ、家族の場は“実戦”になります。
この実戦が、社会性を育てます

そしてメリットがもう一つ。

上の子にとって、年下がいる場は「頼られる経験」を得やすい
特に一人っ子のお子さんや、年の離れた兄弟がいていつも下っ端扱いをされている子たちには好機。

やり方を見せてあげる。
ルールを教える。
困っている子を助ける。
普段は体験できない「頼られる経験」をする。

この「自分が役に立った」という感覚は、小学生の自己肯定感の土台になります

年下にとっても、憧れの存在が近くにいることは、挑戦する気持ちを引き出しやすい。
異年齢交流の良さは、ここにあります。

ただし、ここを間違えると一気に崩れるというポイントがあります
それは「上の子=世話係」になったときです。

「お兄ちゃんなんだから」
「お姉ちゃんなんだから」

この言葉が続くと、子どもたちは“優しさ”ではなく“我慢”でその場を回し始めます。
我慢は、長くは続きません。
疲れて、イライラして、最後は爆発します。

あらっ、どこかで聞いたことあるフレーズですね。
親も我慢して子育てをするとどこかで疲れて、イライラして、最後は爆発しますね。

思いやりを育てたいのに、結果的に「上の子が損をする体験」になってしまう。
これが、年末年始に起こりがちなもめごとの原因で、一番もったいないところです。

もう一つ、親戚が多く集まる場で起きやすいのが「比較」と「人前で叱る」こと
小・中学生はプライドが育ってくる時期です。
皆の前で叱られることは、叱られた内容以上に「恥ずかしさ」として心に残ります。
比較は、頑張る力ではなく、劣等感を育ててしまうことがある。
ここも、大人が意識したいポイントです。

年に数回もない子どもの育ちチャンス、うまく活用する方法を知りたくないですか?

 

大人にできること…育ちの「場づくり」

年末年始の異年齢交流は、子どもを諭したり叱ったり「年上なんだから」とコントロールしてうまくいくものではありません。
“場づくり”に気を付けてください。

まず、スペース

幼児や低学年が安心して遊べる場所と、小学生以上が遊べる場所を、完全に同じにしない
「混ざる時間」と「別で遊ぶ時間」を作ります。

次に、時間

大人の会話が長引くほど、子どもは疲れて荒れます。
だからこそ、子ども側のリズムで「休憩」や「区切り」を入れてあげる

そして、役割

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小学生にお願いするなら「面倒を見て」ではなく「楽しい係」にする。
配る係。
ルール説明係。
見本係。
お願いしたら、必ず「助かった、ありがとう」で終える。
この一言があるだけで、子どもの心の負担はずいぶん軽くなります。

それでも…トラブルは必ず起きます。
大きな声で言えないけれど、子どもだけではなく親にも起きます。

 

トラブルが起きたら…正論より「選択肢」

子ども同士がもめた瞬間、大人がつい言いたくなる正論があります。

「仲良くしなさい」
「譲りなさい」
「年上なんだから」

でも、熱くなっている子には正論が届きにくいもの。
そんなときは、裁かずに、選択肢を出します

「今の遊びを続けるなら、ルールを変える?」
「それとも遊びを変える?」
「いったん休憩する?」

小学生は、自分で選べると落ち着きやすいです。
「決められた」ではなく「自分で決めた」に変える。
それだけで、その場が整い始めます。

年末年始は、社会性が育つ“家庭の授業”。
親戚の集まりは、うまくいけば、子どもにとって一生ものの経験になります。
でも放っておくと、疲れと我慢が積み上がりやすい。
だから、大人が心にとめておいてほしいですし、できたらうれしいよねくらいの気持ちでやってみて。

子どもを変える前に、場を整える。
スペースを分ける。
時間に区切りを作る。
役割は“世話係”にしない。
叱るなら人前で叱らない。

年末年始の数日間は、子どもの“社会性”が育つチャンスでもあります。
「今年も荒れたなぁ」で終わらせず、来年はぜひ、場づくりから始めてみてください。


青山さん写真

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)

親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。

 登録者数4.49万人(2025年11月末現在)を数えるYouTubeチャンネルでも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。