教えて!青山せんせい 1学期開始!子どもの“次の一歩”を支える親の境界線 4月編
2026.04.25
りびえーる本紙でも大きな反響をいただいている子育て応援企画「教えて!青山せんせい」のWEB版。
就学前から10代後半までの子どもたちを持つ親&祖父母へ向けて、毎回さまざまなテーマをお届け。どの世代へ向けたお話も、どこかで必ずあなたのお子さん・お孫さんにつながるのが不思議です。
子どもも親も祖父母も幸せになる…子育てを楽しんじゃうヒントを、この連載で見つけてください!
教えて!青山せんせい 1学期開始!子どもの“次の一歩”を支える親の境界線 4月編
今年度も新入学・新学期の時期になりました。
すんなりなじめた子もいれば、まだまだ慣れなかったり、少し学校に行きにくかったり、いろいろな子がいるのではないでしょうか。
今回は、大型連休前の4月と、連休があけて学業が本格的になる5月に分けて、この時期大人が持っていたい「境界線」について聞きます。
それでは今回も…教えて!青山せんせい!
「受け入れる」だけで終わらせない!連休を意味あるものに
4月も半ばを過ぎると、新学期の張りつめた空気が少しずつゆるみ始めます。
けれど実はこの時期こそ、子どものしんどさが表に出やすいタイミングでもあります。
新しいクラス、新しい先生
新しい友だち、新しい流れ
4月のはじめには「とにかく頑張らなきゃ」と気を張っていた子が、連休前になって、ぷつりと糸が切れたように動けなくなる。そんなことは、決して珍しくありません。

朝起きられない。
学校に行こうとするとお腹が痛くなる。
帰ってくるとぐったりしている。
イライラが増える。
無口になる。
ゲームやYouTubeばかりになる。
こうした姿を見ると、親は不安になります。
「このままで大丈夫なのかな」
「ここで休ませたら、ますます行けなくなるのでは」
「少しでも慣れさせたほうがいいのでは」
その気持ちは、よくわかりますが、こんな時期だからこそ大切なのは、ただ受け入れるだけではなく、ただ頑張らせるだけでもない関わり方です。
今回から2回に分けて、連休をはさむ4・5月に親が持っておきたい「境界線」についてお話しします。
★「よかれと思って」が逆効果になることがある
なんとか1時間でも登校できた。
教室には入れなかったけれど、保健室までは行けた。
朝は無理だったけれど、午後から少し顔を出せた。
そんなとき、親としてはうれしいですよね。
ほっともするし、「このまま少しずつ慣れていけたら」と期待したくもなります。
だからつい、こう言いたくなります。
「よく頑張ったね」
「明日も行けるかもね」
「みんなも頑張ってるよ」
でも、ギリギリのエネルギーで動いた子にとっては、その言葉が励ましではなく、次の期待を背負わされるプレッシャーになることがあります。
やっと一歩出せたのに、もう次を求められる。
ようやくゴールにたどり着いたと思ったら、またゴールテープを後ろに下げられる。
そんな感覚になる子もいます。
大人は「応援」のつもりでも、子どもは「まだ足りないと言われた」と受け取ることがあるのです。
だからまず必要なのは、大人の“もっと”をいったん脇に置くことです。
行けたかどうかだけを見るのではなく、その一歩にどれだけの無理が含まれていたのかを見ること。
帰宅後にぐったりしていないか。
イライラしていないか。
食欲はあるか。
表情はどうか。
言葉数はどうか。
「行けた」という結果の裏に、どれだけの消耗があったのか。
そこを見ないまま期待を乗せると、支えたつもりが追い詰めることになってしまいます。
★「受け入れる」は甘やかしではなく、土台を作ること
子どもが「しんどい」「無理」と言ったとき、
「そんなこと言わないで頑張って」
「行けばなんとかなるから」
「みんなやってるよ」
そう返したくなることもあるでしょう。
でも、心も体もいっぱいいっぱいになっている子に必要なのは、まず安全な拠点です。
「しんどいんだね」
「疲れたよね」
「今は無理なんだね」
そうやって自分の状態をわかってもらえることで、子どもは初めて張りつめた力を少しゆるめることができます。
家庭が「評価される場所」ではなく、「責められる場所」でもなく、安心して力を抜ける場所になる。
これは甘やかしではありません。
成長するための土台づくりです。
脅かされているように感じている心は、前に進めません。
まず「ここでは責められない」「わかってもらえた」と感じられることが大前提です。
ただし、ここで大切なのは、受け止めて、それで終わりにしないことです。
しんどい=だから「学校は休んでもいい」、ではないということです。
子どものしんどさを理解することと、そのまま全部を止めてしまうことは、同じではありません。
★連休を「逃げ場」ではなく「整え直す時間」にする
もうすぐ大型連休がやってきます。
この休みを、ただ学校から逃げるだけの時間にしてしまうと、休み明けさらに戻りにくくなることがあります。
だからこそ連休は、子どもを追い立てる時間ではなく、整え直す時間にしたいのです。
全部をちゃんとさせなくていい。
でも、何も考えずに流れてしまわないこと。
たとえば、
・朝起きる時間を大きく崩しすぎない
・昼夜逆転を防ぐための最低限のラインを決める
・一日一回は外の空気に触れる
・学校とのつながりを完全には切らない
・休み明けの最初の一歩をどうするか、親子で軽く話しておく
そんなふうに、「休むこと」と「整えること」を両立させる視点が大切です。
連休は、現実逃避の時間ではありません。
次に動き出すために、呼吸を整える時間です。
ここで大人がすべきなのは、「全部ちゃんとしなさい」と言うことではなく、やるべきことと、今はやらなくてもいいことを整理することです。
子どもの負担を減らしながら、生活や社会との接点が完全には切れないようにする。
そのバランスを考えるのが、大人の仕事です。

「しあわせなおかあさん塾」青山節美さん(松江市)
親学ファシリテーターとして4,000人以上のお母さんたちと接する中で、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に2018年同塾を開講、講座動員数は現在延べ1万人以上。
登録者数4.51万人(2026年2月末現在)を数えるYouTubeチャンネルでも迷える親たちへ具体的なヒントとエールを送り続けている。