ばんだい先生
☆家計アドバイス☆
あなたのお宅の家計はいかがですか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の上級資格を持つばんだい先生が、家計改善や資産形成のポイントをアドバイスします。
Q.贈与制度が複雑で分かりません!
住宅資金の贈与で相談です。マイホームを建築するにあたり父親から資金援助の申し出がありました。贈与制度の大事な注意点を教えてください。
相談者 家族構成
Aさん(41歳・会社員)、妻(38歳・会社員)、子2人の4人家族
A.
Aさんの場合、将来家計簿を作ってみると自己資金と返済可能な住宅ローンで建築できるのは28坪が限界です。仮に今回の贈与分を加算すると32坪まで広げることができるので4人家族として現実的なプランになります。
住宅資金の贈与制度は、(1)住宅取得等資金贈与の非課税制度1,000万円、(2)相続時精算課税制度の特別控除2,500万円、(3)贈与税の基礎控除110万円の3つがあり、これらは選択や併用することもできます。つまり住宅資金として最大3,610万円まで贈与税が非課税になります。ただし、それぞれの制度には要件や見落とされがちな注意点があります。
まず住宅取得等資金贈与の非課税制度は、質の高い住宅(断熱等級5以上、1次エネルギー消費等級6以上など)の場合1,000万円までは非課税となります。この制度を利用して贈与された資金は、贈与を受けた翌年3月15日までに住宅の取得、新築、増改築に使用しなければなりません。また同時期までに取得した住宅に入居することも条件です。なお、「入居の見込みがある」と判断された場合には、入居期限を遅らせることができます。住宅取得のために贈与された資金を全て使い切る必要があり、残った額があれば贈与税の課税対象となります。重要で大変誤解が多い点ですが、簡単にいえば贈与された額に対しては住宅ローン控除は減額されますので、年間最大7万円×13年分の控除がなくなります。多くの人がこの制度を選ぶことが多いため、それが混乱のポイントになっています。

次に相続時精算課税制度は、原則として贈与者60歳以上が条件のひとつですが、前述の非課税制度と併用する場合に限り、60歳未満の贈与者であっても制度の利用が認められます。なお特例は、令和8年12月31日までの贈与に限るとされています。相続時精算課税制度は、贈与者が死亡した際に、贈与した財産は全て相続財産に足し合わされ相続税の課税対象になりますので、あらかじめ相続税を確認しておく必要があります。紙面の制約から細かな説明は省きますが、Aさんの場合、贈与者が60歳を超えていることから、この制度を利用しても住宅ローン控除額の減額がないのが相違点になります。またAさんは相続税の心配もないことから、通常の相続時精算課税制度のみの選択が正解となります。
贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告や選択届出書を管轄の税務署へ提出しなければなりません。仮に贈与税が0円になる場合でも、贈与税申告は必要ですので注意してください。
アドバイス!
1. 贈与の有無は計画段階で分かると問題が少ないです。
2. 税制は必ず自分に当てはめて計算します。
3. 贈与後の父親の生活も将来家計簿で確認します。


ばんだいこうじ
年間100件前後の家計・保険・老後設計・年金・資産運用の家計相談を実施。住宅に関しては、船井総研をはじめ全国各地で専門家に指導・講演を行う住宅業界のカリスマ。松江にあるFP住宅相談所では家づくりが楽しくなるセミナーを開催し、累計350棟以上の家づくりを実際にサポート。
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