創る◇◆◇イラストレーター よしの みづきさん【出雲市】
2025.11.17
ほのぼのと
楽しくなるものを

目にするだけで楽しくほのぼのとした気分に包まれるような作品を描くイラストレーター・よしのみづきさん。高校の美術教諭を経て、現在はフリーのイラストレーターとして、パンフレットやチラシ、ラベル、イメージキャラクター制作など、多彩に活動している。

子どものころから自由帳に絵を描き、クラスメートたちの「これ描いて」のリクエストに応えて喜んでもらうことが自身の喜びでもあった。
作り手になりたいとの思いを持ちながらも、広島大学教育学部へ。美術全般、幅広く学び、卒業後は島根県内の高校の教諭に。日ごろ生徒に「自分の夢を持ちなさい」と話していたが、生徒からの「なぜ先生になったの?」の問いに胸を張って答えられない自分がいた。「一番やりたいことは?」と問いかけ、本格的にフリーのイラストレーターとして活動を始めた。

濁りのない明るくやわらかな色使いとのんびりした雰囲気がよしのさんならでは。動物好きでもあり、動物たちが絵を描いたり料理をしたりする姿などを描くこともしばしばで、その表情が笑顔を誘う。「絵は、想像をいくらでも詰め込める。現実になくても、想像でしかできないことができるのが魅力」と話す。本物でない色使いをするなど、何でもできるところを楽しむことで、見た人もまた想像が広がる。
イベント出店時にはシールなどを販売。子どもが恥ずかしそうに「これ、欲しいです」と買いに来てくれたときはうれしかったと、純粋な子どもたちの反応を喜ぶ。子ども向けにと意識して描いてはいないが、「ゆるやかで、見ていて楽しくなるものを心がけている」の言葉通り、親しみやすい絵が年代を問わず皆の心に響く。



「すごいね」と距離を置かれる作品よりも、子ども時代のように、自身も含め「みんな一緒に楽しんでもらえる、身近に感じる作品を描きたい」。
散歩しながら周辺の季節ごとの変化にインスピレーションを得たり、他の作品や雑貨、洋服の模様や配色などから刺激を受けたりしたあれこれが、よしのさんの感性を通して作品に生かされる。


今後、オーダーによる作品制作だけでなく、Tシャツやキーホルダーなどのオリジナルグッズも作りたいと話し、「自分がいいと思うものを作って、手にとってもらえるとうれしい」と笑顔が輝いた。





プロフィール
よしの・みづき 1995年生まれ。
広島大学教育学部第四類造形芸術系コース卒業。2018年から6年間、島根県の高等学校で美術教諭として勤務。24年から本格的にフリーのイラストレーターとして活動を始める。書籍挿し絵、チラシ、ロゴやキャラクター、パッケージデザインなどを手掛ける。
問い合わせは
Eメール「miz.sui.sui@gmail.com」
インスタグラム「@miz.sui_sui」へ。
