旧大社駅リニューアルOPEN 座談会

和風駅舎の傑作を地域の宝に。

 

座談会-メイン4名

 

改装を終えた旧大社駅を前に

国指定重要文化財(重文)で和風駅舎の最高傑作とされる旧大社駅(出雲市大社町北荒木)が、5年にわたる保存修理工事を終え、4月15日に一般公開される。現在の駅舎は 1924年に建設された2代目で、1990年の大社線廃止に伴い役割を終えたものの、黒い屋根瓦に漆喰の白壁というたたずまいは、出雲大社の玄関口にふさわしい荘厳さを今に伝える。
この地域の宝を後世に残そうと、出雲市、JR西日本山陰支社、山陰中央新報社が2014年に「大社駅はじまりプロジェクト実行委員会」を結成し、集客イベントや地域住民を交えたワークショップを実施してきた。一般公開を目前に控え、それぞれのトップと出雲観光協会を加えた4者が、駅舎の未来について語り合った。

 

トークセッション参加者

座談会-飯塚氏

出雲市
市長 飯塚俊之

 

座談会-貴谷氏

JR西日本山陰支社
支社長 
貴谷健史

 

座談会-田邊氏

出雲観光協会
会長 
田邊達也

 

座談会-松尾氏

山陰中央新報社
代表取締役社長 松尾
倫男

旧大社駅の価値とは

 

座談会-駅の内観

 

飯塚市長 まずもって旧大社駅の保存修理工事完了をうれしく思います。大正ロマンを感じられる建物は、多くの参詣者を迎え入れてきた玄関口であり、市民が昔を思い出す場所としても高い価値があります。歴史やきずな、魂を記憶に残し、次世代に引き継ぐことが重要だという思いを強くしています。

貴谷支社長 鉄道遺産の中でも特に象徴的な存在であり、東京駅、門司港駅と並ぶ重文の駅舎です。出雲大社参拝のために敷設された大社線の終着駅として、鉄道史・ 近代史の両面で貴重な価値があります。静ひつさと重厚感は全国に誇れる魅力であり、大きなポテンシャルを秘めています。

田邊会長 素晴らしい駅舎がリニューアルし、観光関係者としてあの姿を見たとき、感動しかないというのが正直な気持ちです。改修前に年間10万人だった来場者数を、今後は30万人まで増やしたいと考えています。観光客や参詣客に加え、建築ファン、文化財ファン、鉄道ファンを取り込んでいくことが重要です。

松尾社長 古代神話の地・出雲に、明治・大正期の近代化の象徴として築かれた、時代を超えるストーリーを持つ建物です。廃線後も駅舎が残り続けてきた背景には、地域が大切に守り継いできた誇りがあります。大鳥居のそばに架かる宇迦橋の改修も終わり、絶好のPRの機会が訪れています。

座談会-シビ

 

座談会-獅子口

 

座談会-瓦

 

旧大社駅のこれから

座談会-外観
座談会-見学の様子

飯塚市長 旧大社駅を、出雲大社・神門通り・周辺地域を巡る回避の拠点に位置づけ、一つ一つの「点」を「面」に広げて、滞在型観光を推進していきます。神門通りの賑わいを駅舎までつなげて、出雲を訪れる人の滞在時間を少しでも長くしたいです。リニューアルを契機に、地域振興の様々なアイデアが出てくるでしょう。

貴谷支社長 保存するだけでなく、体験型コンテンツと組み合わせることで新たな価値を生み出せると考えています。全国の鉄道ファンや建築ファンに加え、一般観光客にも訴求できるよう、観光アプリなども活用し、時代に合わせた効果的なプロモーションを進めていくことが重要です。

田邊会長 民間がいかに本気になって動くかが問われていると感じます。駅舎のホームに保存されているデゴイチ (SL)に、食堂車や寝台車を連結させて人を呼び込むなど、アイデアもあります。目的地として選ばれる場所に育て、人を惹きつける観光拠点にしていきたいです。

松尾社長 旧大社駅を起点に、神門通りから歩いて訪れる「ストーリーのある動線」をつくることが重要です。100年後の旧大社駅をテーマに、子どもたちから地域振興のプランを募っても良いでしょう。リニューアルされた駅舎が、地域と共に新しい物語を紡ぐ場となる未来を、明るく描いていきたいです。

 

座談会-沿革史


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