イノシシ革の良さを発信
命をつなぐ

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長年、ルアーなどの釣り具をつくっているアトランティス代表の廣江英治さん。20代のころに6年程度、革を使ったものづくりもしており、その後しばらく遠ざかっていたが、4年前、釣りのときに使うペンチ入れなどの小物を革でつくりだしたことをきっかけに本格的に取り組み、革製品専門店・クールクラフト&ミコトを立ち上げた。

0813_茶色 長財布
0813_牛長財布 型押し

現在は、牛やイノシシの革をメインに、財布や小銭入れなど、各種制作。さまざまなオーダーにも応えている。オーダー品は、既製品にはない自分だけのものができるとあって、「喜んでもらえることがうれしく、励みになる」と目を細める。

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0813_イノシシ小 黒
0813_イノシシ小  赤

革製品づくりを始めたころにジビエの革があることを知り、情報収集したところ、イノシシなどは駆除された後、一部食肉加工されるものの皮の部分はほぼ廃棄処分されていることが分かった。「イノシシの革は丈夫でキズに強く、型崩れしないし、通気性があり、軽くて、優れた革」と魅力を熱く語る。

0813_赤茶色 長財布

廃棄するのはもったいない、なんとかしたいと思った廣江さんは、イノシシの革を使ったものづくりに取り組む島根県美郷町のグループに話を聞くなどして、具体的に製品づくりへと動きだした。

同県八雲町や奥出雲町で猟師が捕獲したイノシシを加工、なめし業者で化学薬品を使わないタンニンなめしという方法でなめし革にし、再び廣江さんの元へ。

0813_イノシシ小 黒折り畳み

 

0813_牛 小財布 2種


イノシシの革は、表面に細かなしわのような独特な表情があり、自然のものなのでキズやシミなど、一つ一つ様子が異なる。それを個性として生かし、味になるよう表現している。「唯一無二で、同じにならないところが面白い」

0813_イノシシ小 ピク

革製品を手がける「クールクラフトレザー」の中にジビエ革を使うミコト部門があり、そのミコトは漢字の「命」。命を大切に、「無駄なく使いたい」と端切れもキーホルダーなどの小物に仕上げる。

0813_牛キーホルダー

自分で考えたものが形になるのが楽しく、使い勝手がよりよくなるよう試行錯誤を重ねる。革に図柄を彫るレザーカービングという装飾方法も取り入れ、「集中力と根気が要る」と苦笑いしつつも達成感は大きい。

0813_カービング3種

今後、もっとイノシシ革の良さを知ってもらいたいから力を入れていきたいと話し、さらに続けて「革がとてもきれいな色に染まる」と魅了された「柿渋染めや藍染めもやっていきたい」と廣江さん。現在、自家製の柿渋が熟成中。革、柿渋、藍、自然素材の相乗効果がどう表現されるのか楽しみだ。

0813_牛ポーチ
0813_牛黒ボタン

この他、イノシシ革の靴や手袋、野球のグローブなどを制作する作家がいることも知り、各作家に革を提供し制作してもらい、店舗で販売を手がけたり、財布などの手づくり体験ができるようにしたり、大きなバッグも作りたいなど、やってみたいことが次々と語られ、これからの展開に期待が膨らむ。

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プロフィール

0813_創る・廣江英治さんプロフィール

ひろえ・えいじ

1965年生まれ。
25年前から釣り具をつくるが、20代のころから革製品づくりを始め、その経験を生かして4年前からクールクラフトレザー&ミコトとして本格的に革作家としての活動にも取り組む。特にイノシシ革の魅力を発信中。

クールクラフトレザー&ミコト(松江市乃白町64【MAP】、13:00~19:00、不定休、電話:0852-21-2119)。釣り具ショップ・アトランティスも併設。